ブックタイトルほんもののたたみ | 畳屋道場

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概要

畳屋道場は「ほんもののたたみ」をお届けします。

24畳の品質を決める「畳表」は天然い草の効用も多彩。畳は1300年以上の歴史を持つ、日本独自の敷物です。文献には、青森県の十面沢遺跡で出土した縄文土器に残る、「い草」など野草の織物の跡が最古の畳表とあり、儀式などに使われていたようです。畳の発祥地は定まらず、日本各地で同じような年代で使われ始め、「畳」という表記は、「古事記」に「八重畳」として記されたのが始まり。当時は、位の高い人が座る部分だけに敷かれていました。ひな人形のお内裏様が座っているような畳です。現在のように、部屋一面に敷き詰めるようになったのは、1 338年(室町時代)頃、書院造りの住宅が現れて以降になります。畳は大きく分けて3つの部分で構成されています。1畳の芯材となる「畳床」2畳の表面になる「畳表」3縁取りをしている「畳縁」の3つ。この中で、私たちがいつも触れている「畳表」は、畳の品質を決める重要な部分です。先人は、湿度の高い日本の気候風土で、いかに快適に過ごすかを工夫してきました。そんな中で生まれたのが、「い草(藺草)」という植物を乾燥させて織り上げた畳表です。インドから伝わった薬草との説もある「い草」でつくる畳表には、多くの効用があります。代表的なものをご紹介しましょう。◆湿度調整機能/常に呼吸している畳表は、湿度が高いと水分を吸い、乾燥していると水分を発散(1畳あたり500ミリリットル)。肌触りがよく、部屋がいつも快適です。◆空気浄化作用/炭と同じ効果で、い草の中のが有害な物質を吸着して、室内の空気を浄化。◆沈静作用(アロマテラピー効果)/「干草」と「土」の匂いが混ざった畳の独特な香りは、天然素材ならでは。また畳表の反射率は人の肌とほぼ同じで、目に優しく心が落ち着きます。◆衛生的/しっかり織り込まれた畳は、小さなゴミが入り込まず掃除が簡単。また、水虫になりにくいなどの抗菌効果も認められてきました。◆安全性/フローリングに比べてクッション性があり、転倒の際もダメージが少なく、子どもを遊ばせても安全性が高いのです。畳はワインに似て奥深い寝かせ、使うほど高価値に。天然のい草の構造は、ストロー状の筒の中に「燈芯」という白いフワフワしたスポンジ状のものが入ったもの。この燈芯の入り具合が、畳表の機能性を決めます。ですから、本来「畳」と呼べるのは、天然素材の畳表を使ったものに限られます。また「畳はワインに似ている」ともいえます。い草は、収穫されるとその日のうちに乾燥され、遮光して保存されます。これを畳表に織り上げますが、品質にこだわるい草農家は、1年以上寝かせたい草を織ります。そして農家は、私たち畳職人に対し、「織ったばかりの畳表は、1年以上寝かせてから使ってね」といいます。当社には、い草の出来が良かった、2008年物の畳表がいまだに寝か室町時代から続く日本独自の畳を将来に受け継ぐために。文鏡芳昭(鏡畳店4代目店主・山形県)