ブックタイトルほんもののたたみ | 畳屋道場

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概要

畳屋道場は「ほんもののたたみ」をお届けします。

26せてあります。熟成させることによって色が落ち着き、製品になってからの経年変化が美しくなるのです。畳は使ううちに日焼けしますが、本当に良い畳は「あめ色」になって光沢が出てきます。2008年物は出来が良い。寝かせるとだんだん良くなる…。畳の話なのに、ワインを語ることに似ていませんか。つまり、畳を語ることは、ワインの世界のように、奥の深い話なのです。国産畳の減少を止め「農産物」として見直しを。畳業界ではこれまで、「日本人は畳が必要。畳は無くならない」という神話がありましたが、その実、畳は減少しています。日本の約9500軒の畳店のうち、実際に営業しているのは約80%。い草生産農家に関しては、ここ20年で約10分の1以下にまで減ってしまいました。その原因は、畳業界が天然い草で作る畳の本当の良さを知らず、お客さまにも伝えてこなかったからです。現在、日本の畳の85%が中国産といわれています。国産と中国産の見分けがつく畳屋が10%程度といわれれば、この現状にも納得できるでしょう。畳業界の生産者、仲買人、畳屋それぞれが、「売れれば良い」という下請け体質で続いていることも弊害になりました。私は2006年に熊本の生産農家を訪れ、畳は農産物であるということを再認識しました。以降、国産畳の良さを見直そうと取り組んできました。畳屋道場を立ち上げ、畳を真剣に考える仲間たちと、生産現場に学び、将来を模索しています。私たちは、畳は日本人にとって必需品ではなく、「贅沢品」であり「嗜好品」であると考えています。やはりワインに似ています。畳は日本独自の文化ですが、西暦700年代に朝鮮半島や中国に輸出され、畳縁のデザインが逆輸入されました。赤い下地に菱形の紋様があるなどで、これらは高麗縁と呼ばれ、日本の畳に定着しました。畳の本質を失わずに時代に合う「物語」を提案。21世紀の今、私たちは欧米に「畳文化」を輸出して、もう一度逆輸入しようと取り組んでいます。今度は、ライフスタイルそのもの、つまり、欧米化が進む日本の生活様式に合った「畳のある生活」をデザイン。嗜好品としての畳の特徴を活かした空間づくりを進めます。すでに旅館や料亭などでは、和洋折衷のモダンな畳スペースが提供されています。イメージは似ているのですが、残念ながら「本物の畳」を使っているところはほとんどありません。料理も調度品も一流なのにビニール畳では、お客さまも不自然に感じているでしょう。一流の空間にこそ、本物にこだわってほしいと思います。私たちは「畳」の新しい世界観を創出しようと、コンセプトを持った空間づくりや、い草・畳表を使った新しい畳プロダクトの製作などを始めました。この中で大事にしているのが「物語」。単に目新しいデザインやものづくりではなく、歴史や本質的な部分での一貫性が必要と思うからです。そして、提案する「物語」に共感され、実際に使っていただくことで、「文化」に変わっていくと考えます。物語が文化を創るのです。畳の本質を捉え、本質を変えることなく、時代に合わせて創り上げる。地味でもコツコツと積み上げればできると信じています。私はこれからも、小さな枠にとらわれずに、学び続けチャレンジし続けていきます。「日本に生まれて良かった」「畳っていいなー」と、多くの皆さまに感じていただくために。鏡芳昭有限会社鏡畳店代表取締役。山形県寒河江市にある1 916年創業の老舗畳店の4代目。2007年、高品質な国産畳「正直たたみ」の開発と普及を目指し、畳屋道場株式会社を設立。